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わたしの心の風景メモ。 


by sachiolin
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思〇ハートのスイッチとプラグ接続

今日はなんとまた小雪の舞うお天気。
コート着てます。マフラー巻いてます。
これでは冬へ逆戻り。春よ、来い。

とはいえ、雪が舞う情景は美しく
好きなので、ゆるしますが。
特に、粉雪が地面のすれすれを
這うように舞っていて、息をのんだ。
あれは、本当に美しかったのぉ。


今日は本番のホールで12時から2時間リハーサル。
さて、調弦もしたし、そろそろ始めるか
と思ったら…


どーーーん(背の高い先生なのです。)




と、師匠登場。

お互いにレッスン時間に誤解があって、
ちょいと予定が狂ったが、
先生に聞いて頂けるなら、是非是非…
という訳で、突如レッスンに。


全てを通す時間はないので、
それぞれの曲を冒頭を中心にレッスン開始。

相変わらず、要所要所を見事に
痛々しくコメントしてくださる。
要するに、毒舌デス。笑。

本質をついているので、何も言えない。

ただ不思議な事に、それがいつも
マイナスのエネルギーにはならず
プラスのエネルギーに変換される。

その時は必死で食いついているが、
あとで思い返してみると、結構
ひどい事言われてたじゃんワタクシ…と
ふと我に返ったりする。

ものすごくよく研がれた鋭い刀で、
ものすごく腕のよい武士に斬られたら
きっとこんな感じなんだろうと。
斬られたと気づくまで時差があるのだ。
切り口もきれいだから、痛みはしても、
変な痛みが無いのだろう。
爽快感というか。(マゾ?!)

はて、何を考察してるんだか。



そんなこんなで全曲一応弾き終えた。



「15時過ぎから時間があるから
 またあとでね」

と、ピカピカの刀を鞘に静かに納めて
武士は笑顔で去っていったのである。

まだ勝負はこれからのようだ。

浪人二名は、峠の茶屋で少しの時間
休みをとる。チョコマフィンとヨーグルトと
Bionadeに癒され、暫し現実を忘れる。



本日二回目のレッスンでは、
本音や疑問をぶつけた。

「先日のレッスンの自分の録音を聴いて
 正直非常に落胆しました。何と言うか、
 全体的にまったりしていて、緊張感がない。
 あんなにひどかったとは。。。
 ただ、これはやはり、こののほほほんとした
 この私の性格の問題もあるのではないかとも思いました。」

「それは大いにあるよ。ただ、君の心の中にも、
 もっと激しい部分がきっとあると思う。
 君がまだ知らなくてもね。
 どんな人も、色々な部屋みたいなものを、
 心の内にたくさん持っているはずなんだよ。
 それをどうやって開けるか、開けたいと思うか
 というところだね。」

「ふむむ。例えば、感情を露出した演奏をしたとして、
 それが、エゴに感じる演奏と、そうでない演奏が
 ありますが、そこの違いは何でしょうか。
 そこが、いつも私の心に引っ掛かっているのです。」

「どんな素晴らしい演奏も、奏者が、では一体何に感動したのか?
 と問うてみれば、答えはシンプルだね。『音楽』でしょう。
 それが一番重要なことだよ。それ以上もそれ以下もない。
 それに、エゴになるのが心配だ心配だと言うが、それがエゴと
 聞こえてしまうまで、君はまだ自分を出していないじゃないか。」

「ふむむ。」


カラーン。


心に響いた言葉の数々。
チャイコフスキーをもう一度冒頭から弾き始める。
もう何も考えず、どの音も聴き洩らさないようにして
一音一音にひたすら心を込める。
心を込めるといっても、弾いているうちに
自然と意識したのは、ヨガで言う「第6チャクラ」、
第3の目と言われる眉間の少し上のあたりだった。
体を動かそうという意識はなく、
ハートのエンジンがぐんぐん動いていて
第3の目でそれを操作しているような感じだった。
体が勝手に動く。
不思議と色々な情景が次々と浮かんでくる。


弾き終わったところで、しばし沈黙。


「サチコ、君は今正しい道を歩み始めた。
 今の方が断然いい。沢山伝わってきた。
 そうやって弾くと、不思議と間違いも気にならない。
 ミスというのは、不思議なもので、
 それを本人が気にして弾いていると、こちらにも
 気になるものなんだよね。
 今の感じ忘れないでね。そのまま進みなさい。」
 

折角師匠がコメントしてくれているのに
どうも頭がぼぉっとしていて上手く反応できない。
高速道路を飛ばしてきた車がやっと目的地に辿り着き、
エンジンがプスプス音を立てているような感じで、
頭から湯気が出ていた。レッスンが終わって
師匠と別れた後も、暫くその状態が続いた。


漠然と「繋がったのかも」と思った。


心と体が。楽器を通して。
ハートのスイッチを入れて、
エンジンが動き、
心と体の間のパイプが繋がった。
ヴァイオリンという楽器を通して。
十何年も弾いてきて
今更だが、初めて繋がった気がする。


大事なことは
●ハートのガソリンを満タンにしておくこと。
●パイプの点検を怠らないこと。


整体の野口先生がこういう事を書いておられた。
「体がどう動くか意識しているようでは
まだだめなのです。無意識に、要求に従って
体が動いていく。」

イチローもこういう事を言っていた。
「本当にいい状態というのは、意識的ではない。
どんなボールが来ても無意識に体がそれに
反応し動くようにしているわけです。
だからこそ、ヒットを量産できるのです。」

お二人の言葉を、初めて少し理解できた気がした。

ただその無意識の状態というのは、
想像するに、非常に意識的な段階を越えて
初めて表れてくるものなのではないだろうか。
だからこそ、演奏家もスポーツ選手も
日々練習を欠かせない。


その日々を重ねて、
最終的なところは、

どう弾くかではなく、
いかに心で感じるか。

ありのままに感じること。




ずっと不思議だった心と体のプラグが接続された。
これだから人生は面白い。
これだから音楽はやめられない。

明日も、プラグ繋がりますように。



今日の言葉*
「純粋な現在とは、未来を喰っていく
 過去の捉えがたい進行である。
 実を言えば、あらゆる知覚とはすでに記憶なのだ。」
(アンリ・ベルクソン)


写真;イタリアの空港で見かけたワンちゃん。
   

あっち向いても

思〇ハートのスイッチとプラグ接続_c0110074_1026439.jpg














こっち向いても
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君はどこまでも可愛い。
by sachiolin | 2008-04-08 10:29 | 思〇