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わたしの心の風景メモ。 


by sachiolin
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レッスンメモ∞ 同じ舟に乗る / 何をはずすか

アンサンブルをする時に、大切なのは、
「合わせよう合わせようとしないこと」だ。

意外なのだが、本当にそうなのだ。
合わせようと思えば思うほど、
意識すればするほど、合わない。
合ったとしても、不自然なものになる。

ひとつの点を目指して、合わせようとするのは、
違う舟に乗りながら、海に浮かぶ的を射るような
変な難しさがある。そんなつもりではないのに、
結果的に、そんな難しいことになっていることが、
教えていても、よくある。あらまあという事態に。

アンサンブルで一番大切なのは、
同じ舟に乗ることなのだと思う。


音楽は、動いていくもの。
それは、川のようでもあり、海のようでもある。
静かな流れの時もあれば、激しい波の時もある。

どんな時も、
同じ舟に乗っている感覚さえあれば、
合わせようとしなくても、自然と合うし、
助け合える。音の命がつながる。


たったふたりでも、同じ舟にきちんと乗る。
同じ時を共にし、同じテンポを共にし、
同じ波に乗り、流れを共にする。

大きいアンサンブルになればなるほど、
大きな船に乗ることになる。

だから、船頭=指揮者が
どうしても必要になってくる。


よい船であればあるほど、
船頭が悪くても荒波を察知し、
それぞれが機敏に動き、運行できる。

よい船頭であればあるほど、
よいリハーサル(修理点検)をし、
いざ出発の時となれば、信頼関係のもと、
本当に必要なときだけ絶妙に舵を切り、
動かしているのか動かされているのか
分からないほど、絶妙に動かす。


よいアンサンブルが生まれたときの
気持ちよさというのは、たまらない。

サーフィンは、したことがないけれど、
多分、同じような気持ちよさなのだろうな。


よいアンサンブルができていないときの
気持ち悪さというのも、たまらない。

ものすごく疲れる。変な疲れがたまる。
気が流れる、流れない、ということが
あるけれど、音楽というのは、まさに
それなのだろう。気が滞ってしまうのだ。


∞∞∞∞∞


練習というのは、結局、脳と身体の関係であって、
何を/いかに、意識から外すか、というのが
実は、大切なのではないかと、考える。

「間違えないように、間違えないように」と
練習していると、間違える方を、
知らぬ間に、インプットしてしまう、というこの事実!


悪い癖、というのは、つきやすい。
ひとりひとり、癖も違う。

その癖を逆手にとって、
よい方向に導く方法があるのだと思う。

何を身につけるかではなく、
何をはずして、何を切り捨てて、
おのずから、浮かび上がってくるものを
自然につなげることができるか。
by sachiolin | 2011-08-02 02:59 | 練習・レッスンメモ∞