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わたしの心の風景メモ。 


by sachiolin
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思○ どんぶらこ。

夏休みなので、ドイツにいる日本人の友人が、
帰国していて、1年ぶりに再会している。

そうなのである。

もうすぐ、完全帰国してから1年が経つ。

色々なことがあって、震災があって、
新しい場ができて、新しい人と会って…
何だかもうよく分からない。


帰国した先輩方が口を揃えて言っていた。

「何だか、ドイツでの日々は、
夢だったのではないかと思う。」


ふーん、そうかあ、
自分もそうなるのかなあと思っていたが、
なるほど、実際、そうかもしれない。


日本に戻って、根を張って生活をすると、
重心が下がり、当たり前の幸せを感じた。
ドイツにいるときは、「無理している」とは
それほど感じなかったが、日本に暮らしてみて、
「無理していたんだなあ」と感じた。

よくあんなに遠い所で、何年も暮らしていたわい、
何度も行ったり来たりしていたわい、と
自分で自分にちょっと感心してしまう。


日本とドイツは、あまりにも遠いし、
環境も言葉も、全てがあまりにも違う。

だから、余計に、夢のように感じる。


でも、町があって、人がいて、
食べて、笑って、生きていて、
人の営みは、どこにいたって、
いつだって、同じようでもある。

ドイツに行ったら行ったで、
またスッと、ドイツ仕様の自分に
戻ることができる気がするし、
多分、そうなのだろうと思う。

ただ、自分の家、自分の空間が
そこにないのは、大きい。

生活者と、旅行者は、随分違うものだ。


ドイツで今もがんばっている友人と
話していると、心から懐かしく感じるし、
とても嬉しくも思う。エネルギーをもらう。

彼女たちのなかに、昔の自分、
そして、今の自分を見る。

思いや記憶は消えないナ、
人の心に、人の瞳のなかに残るんだナと、
密かに胸を熱くしながら、語らう。

違う道に進んでも、同じ思いを胸に
それぞれの生活で、それぞれの夢のなか、
それぞれの人生を、歩んでいる。


自分の今までの人生を振り返ってみると、
いつも、首の皮一枚でつながっているような
危なっかしい道のりだったけれど、
いつも、人に助けられ、支えられてきたなあと
感じる。人に恵まれていたなあと。
見えない力が、後押ししてくれていたのだなあと。


その記憶や思いがぎゅっと集まっているのが、
自分という存在なのだ。
だから、無碍にすることはできない。
だから、次の誰かにそれを渡したい。

give and give and give



光も波だ。音も波だ。

人生も波だ。


どんぶらこ。

思いを乗せて、
記憶を乗せて、
どんぶらこ。



色んなことに感謝の気持ちが
湧きあがってきた、不思議な晩。



今日の言葉*

「語り得るものについては明瞭に語られなければならない。 
語り得ぬものについては沈黙せねばならない」 

(ルードヴィッヒ・ウィトゲンシュタイン )
by sachiolin | 2011-07-22 02:45 | 思〇