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わたしの心の風景メモ。 


by sachiolin
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夢 /// 冗談みたいな

夢 /// 冗談みたいな_c0110074_1425846.jpg

早朝、雨戸のバンタバタンという激しい音で目が覚めた。
何だかしらん、外はものすごい嵐のようだ。

ごうごうと吹き荒れる風、
ざあざあと降り続ける雨、
バタンバタンと泣き叫ぶ雨戸。

ごうごう
ざあざあ
バタンバタン

ごうごう
ざあざあ
バタンバタン


まったくもって冗談みたいな嵐だ。


寝ぼけ眼の私は
それが夢なのか現実なのか、
本気なのか冗談なのかしばらく分からなかった。


次第にやけに恐ろしくなってきた。
この嵐はずっと続くんじゃないか。
これからは地球のお天気はこれでいきましょうと、
たった今、神様たちは、取り決めてしまったのではないか。
どうもそんな気がする。それほど独特の強い意志と決断を感じる嵐だった。

地震体験マシーンのように、
嵐体験マシーンに今私は乗っているんだ、
きっとそうなんだと思い込ませ(実際にそんな感じだった)、
ゴクリと唾をのみこんで、じっと布団に
くるまった。

あぁ、なんて人間はちっぽけなんだろうと、小さく丸まりながら、
しばらくして、私はまた眠りについた。

そして、とてもかなしい夢を見た。
とてもとてもかなしい夢。冗談みたいにかなしい夢。

途中までそのかなしみに耐えていたのだが、
ピリピリと体が裂けそうになって、
私は夢の中でトイレに行き、しばらく静かに痛々しく泣いた。


起きても、そのかなしみがざらりと、
食道あたりにくっついていた。

あんなに嵐だったのに、
今度はまた冗談みたいに晴れ上がっていた。


洗濯機でモード「強・パワフル」で、この世の全てを
ざくざくと丸洗いしたかのような澄み渡る青空が広がった。
少し生暖かい風は春のようだった。
土がぷーんと原始的な薫りを立てていた。
緑の葉は、ピンと艶と張りが出て、
お風呂上がりのお姉さんみたいに
ルンルンしていた。

生命力がここかしこに沸き立っていた。

神様がニヤリとしているのが分かった。
ちょっと時間がある晴れの日に、
シーツを洗って、真っ白のそれをベランダで干しながら、
風と太陽と洗剤のよい薫りを感じて、
私たちがニンマリするときの気分に似ているに違いなかった。


不思議な日だった。
冗談みたいな日だった。
by sachiolin | 2010-12-04 01:42 | 夢 ///