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わたしの心の風景メモ。 


by sachiolin
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考○ 盲点の窓

ーーー具体的にどんな自分磨きをなさっているのですか?

ただキレイになりたいんだったら他人に見られることを意識するのが一番かな?
でも見られてばかりで「見る」ことを忘れると中身が空っぽになるんで、
私は今「見る側」に立とうとしてます。名人(見られる側)になってからの十数年、
どんどん自分が見えなくなっていってた。全然自分のこと理解できてなかったし
周りの人たちのことも「知ろう」としてなかった。苦しい、さびしい生き方をしてました。
まだ若いうちに気付けてよかったです。みんなに感謝(*´(エ)`)

(宇多田ヒカルさん)


これを読んで、はたと気付いた。

私は、見る側に立ちすぎで、自分が見えてないかもしれない。
見ている自分を見ているけど、見られる自分を見ていない。


だからか~!
うまく言葉で言えないけれど、
何だか妙に腑に落ちていく感覚が。

自分を知るってむずかしい。
自分なんて一番分からない生きものだもの。


見られる自分を見る。


人間における鏡とか、
女における化粧って奥が深い。
男における化粧はもっと深い…


見られる自分を、きちんと見ていないというのは、
とてもよくない気がしてきた。フツフツと。
よくないし、勿体ない、それは。

人に意見を求めてこなかったわけではない。
今まで、いろいろなタイミングで、
いろいろな人に、肯定もされたし、否定もされた。

でも、私は基本的に何かを「見る」ということが、
好きだし、「見る」ということを、積極的にしてきた。

見ることと見られること、の二つが
天秤にかかっていたら、多分、圧倒的に、
「見ること」の方にひたすら重りを乗せてきたと思う。


だからか、他人のことを紹介するのはすごく得意で、
自己紹介は、昔からものすごく苦手である。


ジョハリの窓を思い出す。



考○ 盲点の窓_c0110074_3215972.png


















4つの窓の一つ、盲点の窓(blind self)が
きっとあまり開かれてないんだなあ。

この窓は、唯一他者によって開かれる窓。
他者にしか開かれない、というべきか。
自分には決して開けない、というべきか。


でも考えてみると、この窓は、
盲点、死角、であるだけに、恐ろしくもある。
だから、無意識のうちに避けていたのかもしれない。
あと、小さいときに、きちんと誰かに見られていた
幸せな子どもだったのかもしれないなとも思う。
さっきの天秤の話でいうところの
「見られること」にきちんと重さがかかっていたから、
「見ること」に重りを重ねていけたのだろうとも思う。

赤ちゃんを見ていても思うけれど、
他人にきちんと見られることによって、
不確かな自分という存在を確認している。

ある意味、生まれたての赤ちゃんは、
盲点の窓が全開なのだろう。そこから、少しずつ
自分を意識してきて、開放の窓が開いていき、
そのうち自分だけの秘密を持って、秘密の窓ができていく。

赤ちゃんは、可能性の塊だから、
きっと未知の窓もとても広く大きい。


成長し、大人になるプロセスで、
家庭や学校、そして社会のなかで、
公開された自己=開放の窓が広がっていく。
それと同時に、秘密の窓も、広がっていく。
多分、今の日本は、この窓がとても大きい。

赤ちゃんのころ、全開だった盲点の窓は、
開くのがこわくなり、無意識で閉じていく。

閉じていくというより、実は
常に開かれているのだけど。

自分だけが気付いていないし、わたしは、
自分の窓なのに自分から開こうとしていなかった。


たとえば、宇多田ヒカルさんのように、
早くに「有名」になってしまった人は、
早くに公開の窓があまりに大きくなって、
そして又、盲点の窓も大きくなっていったのかもしれない。

それだけ、盲点の窓は、
可能性を秘めているし、
危険でもあるような気がする。

有名になるって大変であるからして、
秘密の窓も、大切にしなくてはいけない。

色んな有名人がいるけれど、
分かっている有名人は、きちんとそこら辺が、
分かっているな―とつくづく感じる。


わたしは、有名にはなりたくないけれども、
これからは4つの窓のどれもを大切にして、
4つの窓をバランスよく開いていき、磨いていきたい。




今日の言葉*

アートは社会にとって必要ではありません、余計なものなんです。
だから、社会に必要とされるアーティストになろうなんて愚の骨頂です。
アーティストははぐれ者じゃなきゃいけないし、自分がなりたいからなるのであって、
社会がどう必要としているかなんてまったく関係ない。

坂本龍一さん
by sachiolin | 2012-02-15 04:13 | 考〇