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わたしの心の風景メモ。 


by sachiolin
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道∺老子

「道(タオ)の働きは、
なによりもまず、空っぽから始まる。
それは、いくら掬んでも掬みつくせない
不可思議な深い淵とも言えて、
すべてのものの出てくる源のない源だ。

その働きは鋭い刃をまるくする。
固くもつれたものをほぐし、
強い光をやわらげる。
そして舞いあがった塵を下におさめる」


「道(タオ)のなかを最も深く貫いている
動きは何かと言えばreturningなんだ。
re-turn-----再び転じること。
それは私が、反、復、回、周、環といった言葉で
幾度も語る動きだ、それは大きく転じて戻ってゆく。
この動きは弱いと言えるほどゆったりしている.
水のような柔らかな動きだ。
それはどこへ戻ってゆくのかって?
あの非存在、名のない領域へだ。
あらゆる存在は確かに実在しているのだが、
いま「有る」存在はみな「無い」のなかに戻ってゆく。
そしてそれはふたたび「有」の存在のほうへ
「名のある領域」へ、反転してゆく。
だから道(タオ)の動きは深くて大きいと言うんだ」


「『道(タオ)』っていうのは萬物生み出す
根源の玄の働きのことだ。この生み出された萬物を
それぞれその内側から動かす力ーー
それを私は『徳(テー)』と呼ぶんだ。
道が生んだものを 徳が養うわけだ。
養い育てて、形をつくり存在する場をあたえる。
・・・・・
萬物が道や徳を尊敬すべきなのは
それが無理に圧しつけられたものじゃないからだ。
自然に生れてその本来の力を植えつけられたからだ。
道と徳は法律や社会道徳じゃなくて
ものの内にある力なんだよ。
すべてを生みだし、養い、育て、成熟させ、
そしてその果実が地におちたら埋めてやる。

生み出したからって、自分のものにしないし
大変な働きをしたからって、威張らない。
成功して人びとの頭に立ったからって
支配して操ったりしない。
だから私はこういう道(タオ)の働きを
玄徳、神秘のパワーと言うのだ」



加島祥造「タオ 老子」より
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by sachiolin | 2010-03-29 09:21 | 道∺