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わたしの心の風景メモ。 


by sachiolin
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再考〇穴を掘ることと地下水。

穴を掘ることと地下水について、再び考える。

埋もれてしまう穴と埋もれない穴、
残らない穴と残る穴の違いはなんだろう。

下に掘ってばかりいないで、たまにはみずから
地上に出ることも必要なのかもしれない。

見る・見られる。聞く・聞かれる。 

自力でよいしょよいしょと上がるより、
地下で横でつながった地下水脈の水圧で
上にふわっと上がるのが一番楽しいけど。


音楽というのは、楽譜として残されているが、
それが弾かれなければただの紙切れでしかない。
弾かれなければどんなに深い穴も埋もれてしまう。
モーツァルトが何百年と愛され続けている、
演奏され続けているということの意味。

地上から地下を眺めること。
地下から地上を眺めること。
「行き来」すること。


伝統を守る、受け継ぐというのは、
地下だけで楽しむことではなく、地上と地下を行き来して、
深く掘られた穴を保存すること。地上へお知らせすること。

演奏するというのも、表現するということも、
芸術というものも、根本的には、
そういうことなんだろうと思う。

だから、地上で、その紙切れを受け取って
ただそこで弾くのではなく、
みずから掘り進んで、その紙切れを
とりにいかなくてはならない。
同じ紙切れでも、地上から覗いていただけでは、
分からないものがきっとある。地下にいってみないと、
分からないことがきっとある。自分の足で自分の手で掘り進む。


地層は、下から重なっていく。
地面は過去。掘ることは現在。

掘り進むことは、現在から過去に戻ることであり、
未来につなぐことでもある。
by sachiolin | 2010-02-02 08:41 | 考〇